「ワンオペ」という言葉を考える

女尊男卑・地雷女性

はじめに

 近年、「ワンオペ」という言葉が流行し、あたかも「女性だけが全てをやる犠牲者で、男性は何もしない」という誤った主張がなされる傾向があるようです。ところが、この「ワンオペ」という言葉が、安易に離婚調停や裁判でも受け入れられ、結果としてろくに働く気もない女性に子供の親権が行って、子供が貧困の巻き添えになるケースが多いようです。
 現に貧困に陥っている母子家庭の比率は過半数を超え、衣食に事欠く母子家庭では子供への支援要求が溢れています。
 でも「衣食に事欠く子供」が存在するということは、その母子家庭では家事すらまともにできていないという事であり、ひいてはその母親は「育児のワンオペ」なんてできていなかった、ということを証明するものでしかありません。

「ワンオペ」とはなにか

 「ワンオペ」とは、「ワンオペレーション」の略。“ワン=ひとり”、“オペレーション=作業”を合わせた和製英語であり、「本来一人で回らないような作業」を、「一人で」「すべて」やっている事をさします。

すなわち、要件としては、3つの条件があると整理できます。

第1要件:「本来一人で回らないような作業」をすること。
第2要件:その作業を常に「一人だけでやる」こと。
第3要件:その作業を「すべて」こなすこと。

 では、果たしてそんな要件を満たしている自称「ワンオペ」女性はどれくらいいるでしょう? 

 「ワンオペ」という言葉は適切に使われているか?

 「家事のワンオペ」「育児のワンオペ」とか言う言葉が流行しているわけですが、家事も育児も、過去のバブル以前の専業主婦前提時代では、専業主婦がほとんど一人で担っていたものです。その過去の時代に比べて、家事家電は劇的に発達し、乳児院や育休等を含めた子育て支援体制も、進んでいます。どうしても大変なら、今では家事代行サービスという仕事もあるのですから、家事代行を利用すればよいだけでしょう。
 その意味では、家事や育児の分野で、「本来一人で回らないような作業」というのは、子供の小さなほんの一時期を除いては、適切とは言い難いところがあります。
 特に、「子供のいない専業主婦」が「ワンオペ」だとヒス気味にネットで喚いている傾向があるように思いますが、世界でもトップクラスに狭い日本の住居において、「一家庭分の家事」が「一人ではできない大変な作業」というのは不適切でしょう。少なくとも、多くの日本の独身男性は休みのうちに、家事を済ませてしまっています。

 そして、こちらが重要な点なのですが、「家事のワンオペ」「育児のワンオペ」とか言っている人たちは、本当に育児や家事を「すべて」やっているのでしょうか?
 もっと言ってしまえば、「育児や家事のすべて」がわかっているのでしょうか。

 非常に不思議なことに、「ワンオペ」という言葉が使われる際に、女性が被害者アピールをすることだけが重要視されて、「相手のニーズを満たしているか」という視点は常に無視されています。

 でも、現在のネットの女性の主張やマスコミなどは「すべて」を勝手に女性が決めつけている傾向がみられるようです。でも、女性が「なんでもすべてやっている」と言い張っただけで、「本当にすべて」ができているのであれば、貧困母子家庭なんて存在もしないし、家事代行なんて職業も成り立たないし、乳児院も保育園も不要でしょう。

 「家事」であれば、同居する家族全員が健康かつ社会的に不適切な状態にならないような生活を送れるようなニーズを満たさなければ「全部できている」とはいえません。

 「育児」であれば、「子供が健全に育つ環境」を確保できなければ、「全部できている」とは言えません。母子家庭の過半数が陥る貧困状態というのは典型的なワンオペができていない状態です。

 「何が必要なのか」というような家族に対する思いやりや将来設計に欠けた方が、安易に被害者ぶって「ワンオペ」という言葉を多用しているだけのように見えます。
 で、安易に被害者ぶっている方々が、どれだけ配偶者に助けられているかもわからないまま安易に離婚して、子供を貧困の巻き添えにしています。

 実際のところ、食事や住まい、衣服等を確保するための「お金」がなければ、「家事」そのものが成り立ちません。

 「育児」の面でも、子供の健全な成長のためには「お金」が必要です。特に子供が成長し、自立の度合いが高くなるにつれ、親に求められる役割も変わっていきます。
 子供が自立するにつれて、専業主婦が子供のために果たすことのできる役割は大幅に減っていきます。特に進学を目指して、塾等に通わせるのであれば、専業主婦なんて何の役にも立ちません。むしろ、専業主婦なんかは、子供のために使うべき生活費を食いつぶしているだけのお荷物となることでしょう。
 「子供の成長段階に応じて変わる求められること」を理解できていない人は、当然、「育児のすべて」を理解できているわけもなく、当然、育児をすべてやる「育児のワンオペ」もできていません。

 結婚時には、男性のお金に非現実的な高望みをする女性たちが、結婚後になると「男性がお金を稼ぐ役割」をことごとく無視して、女性の功績にすり替えてしまうのは本当に不思議なことです。家事も育児も男性に押し付けようとする昨今のモンスター専業主婦女性なんて、「夫が働くことに集中できる環境を整える」専業主婦の役割を全く果たせていないというのに。

結論

 女性の言う「ワンオペ」という言葉が、「男性の役割を無視するモラハラ」や「子供の健全な成長を無視する児童虐待」を正当化するためだけに使われているのではないか、とは思います。

 少なくとも実際に「ワンオペ」ができている人は、離婚後に子供を貧困に陥らせることはないでしょう。
 1円も稼がない専業主婦が「育児」や「家事」のすべてをやっていると言い張るのであれば、1円も使わずに「育児」なり「家事」を全部やってみればよろしい。

 でも、離婚後に貧困に陥って、育児も家事もできないというのであれば、その人がやっていたのは「ワンオペ」ではなく「相手の役割に感謝もせずに無視をするモラハラ」でしょう。

 ついでに言えば、本当に「ワンオペ」をするほどに能力のある方なら、ひとり親には託児施設の優先利用権があるうえに、家事代行でいくらでも働けるはずですから、子供が貧困に陥ることはあり得ないはずなんですよね。
 離婚によって、「ワンオペ」と言っていた側の女性が引き取った子供が貧困に陥ったのなら、その人が言っていた「ワンオペ」という言葉は嘘だったということでしかありません。
 また、本当に子供が小さい時には、なかなか離婚は認められず、多くの場合働く男性側が、子供を連れ去った母親のために婚姻費用を支払う羽目になります。

 そういう意味では、近年の「ワンオペ」という言葉の流行というのは、被害者ぶっているだけの女性の都合のいい嘘を、マスコミなどが追認し、司法もそれに惑わされている寒すぎる日本の実情と言えるでしょう。
 その結果、「子供や家族に必要なことを満たせているか」という実態を無視した結果、大量の子供の貧困という悲劇が生み出されているように思います。
 ついでに言えば、男性がどれだけ仕事に家事に育児に努力したとしても、何もしない女性が「ワンオペ」だと言っただけで、男性が悪いという風潮がまかり通っているから、何もできないで貧困化する母子家庭が大量発生しているのです。
 本当に「ワンオペ」が実現できているのなら、母子家庭への支援なんて1円たりとも不要です。離婚したとたんに支援が必要になるのなら、その人は「ワンオペ」という嘘をつくモラハラ人間だったに過ぎません。

 ”女性が「ワンオペ」と言ったから女性が正義”、などと言う歪んだ女尊男卑の差別思想をなくしていくことが、子供も、男性も、そして女性も、日本の全てを守ることにつながるのです。

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